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鋼板の鋼種別機械的性質についての内容です。ぜひご活用ください。
鋼材の「機械的性値」とは、引張強さ、衝撃値、硬さ、降伏点(又は耐力)、伸び、絞りなどの機械試験によって示される材料特性をいう。又、「機械試験」には、引張試験、衝撃試験、かたさ試験、杭析試験、曲げ試験などの鋼材の機械的性質を測定する方法を言う。
薄板の機械的性値(特性値)を調べるための方法としては、「引張試験」が一般的である。
「引張試験」(Tensile Test)とは、材料の形状や材質に従って定められた試験片に引張荷重をかけ、その歪みと変形を測定して基本的な機械的性質=例えば弾性限度、比例限度、弾性係数、降伏点、最大強度、破断強度伸び、絞りなど=を知るための試験をいう。これらの機械的性質(特性)の中でも、特に降伏点、最大強度(引張強さ)、伸びの3点が鋼板の性質(特性)を現す代表的なものとされている。
(1)降伏点[Yield Point=YP]
引張試験において、試験片が降伏現象を示す応力をいう。
(2)最大強度(引張り強さ)[Tensile Strength=TS]
試験片が切断するまでに耐えた最大応力をいう。
(3)伸び[Elongetion=EL]
材料に引張力を加えたときの軸方向における長さの増加をいう。即ち、一定評定距離間の加力前の長さに対する荷重破断後の増加分の割合をパーセントで現す。
適用 | 熱間圧延軟鋼板 | 冷間圧延鋼板 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
一般用 | sphc | spcc | 平板または折り曲げ程度の加工 | |
絞り用 | sphd | spcd | 軽い絞り加工 | |
深絞り用 | sphe | spce | 比較的深い絞り加工 | |
自動車用 | 構造用加工 | saph310~440 | spfc340~980 | 一般的には ○絞り加工用 <370 ○加工用 390~500 主として自動車用 加工性の良い高張力鋼板 |
高張力鋼板 | safh490~590 |
組立単位 | cgs単位、mks単位…ガウス絶対単位系 ↓ 統一「si」 |
---|
基本単位 | 長さ | メートル | m(クリプトン86 2P10→5d5波長×1,650,763.73倍) |
---|---|---|---|
質量 | キログラム | kg(国際キログラム原器の質量と同じ) | |
時間 | 秒 | S(C3 133) | |
電流 | アンペア | A | |
熱力学温度 | ケルビン | K | |
物質量 | モル | mol | |
光度 | カンテラ | Cd | |
補助単位 | 平面度 | ラジアン | rad |
立体角 | ステラジアン | Sr |
力 | 1(Kgf) | 9.8(N) |
---|---|---|
圧力 | 1(Kgf/cm2) | 0.098(Pa) |
トルク | 1(Kgf m) | 9.8(Nm) |
熱量 | 1(Cal) | 4.2(J) |
kg/mm2→N/mm2なる。
従って単位は一般的には、N(ニュートン)となるがMpa(メガパスカル)でも良いことになる。
JISハンドブック1-2、1999年版より抜粋
項目 | 切換単位 | 切換係数 | 切換方法 | 例 |
---|---|---|---|---|
応力の切換 | kgf/mm2 ↓ N/mm2、MPa |
9.806 65 | (1)ISOで定めている当該JISに対応する 国際規格で用いているものによる。 必要に応じ次の例示による注記を入れる。 1MPa=1N/mm2又はこの逆 (2)引張強さは10N/mm2(MPa)とび 降伏点、耐力は5N/mm2(MPa)とび 高温強度は1N/mm2(MPa)とび とする。 (丸め方はJIS Z 8401による。 ただし、5N/mm2は2捨3入、7捨8入とする。) 耐力値を5単位に換算する方式 手順1:従来単位に9.80665を掛け、その値を2倍する。 手順2:JIS Z 8401に従い、 必要な単位(100又は10若しくは1.0)に丸める。 手順3:手順2で求めた値を2で割る。 [換算例] 手順1:37×9.80665×2=725.6921 手順2:725.6921→730 手順3:730÷2=365 [換算後の値] (3)全規格について鋼種ごとの数値をチェックし 問題の有無を確認する。 |
SS41の引張強さの場合 41~52kgf/mm2 →400~510N/mm2 (402~510N/mm2) SS 41の降伏点,耐力の場合 22kgf/mm2 →215N/mm2 (216N/mm2) |
質量の表現 | 現行JISで質量の意味で用いている重量は質量に改める。 | |||
規格の呼び方 | (1)“力”ベースで呼ぶものは変える。 (2)力以外で暗号化しているものは変えない |
(1)SS41→SS400 (変える) (2)STBA23→STBA23 (変えない) |
内径 | 300 | 400 | (20') 508 |
528 | 558 | 600 | (24') 609.6 |
700 | (30') 762 |
800 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
外径 | ||||||||||
500 | 0.99 | 0.55 | ||||||||
550 | 1.31 | 0.66 | 0.27 | 0.15 | ||||||
600 | 1.66 | 1.23 | 0.63 | 0.5 | 0.3 | |||||
650 | 2.05 | 1.62 | 1.01 | 0.89 | 0.58 | 0.39 | 0.31 | |||
700 | 2.46 | 2.03 | 1.43 | 0.3 | 1.1 | 0.89 | 0.73 | |||
750 | 2.91 | 2.49 | 1.88 | 1.75 | 1.55 | 1.25 | 1.16 | 0.45 | ||
800 | 3.39 | 2.96 | 2.35 | 2.23 | 2.03 | 1.73 | 2.16 | 0.92 | 0.37 | |
850 | 3.9 | 3.47 | 2.86 | 2.73 | 2.53 | 2.23 | 2.16 | 1.43 | 0.87 | 0.51 |
900 | 4.44 | 4.01 | 3.6 | 3.27 | 3.07 | 2.77 | 2.7 | 1.97 | 1.41 | 1.05 |
950 | 5.01 | 4.53 | 3.97 | 3.84 | 3.61 | 3.34 | 3.27 | 2.54 | 1.99 | 1.62 |
1000 | 5.61 | 5.18 | 4.57 | 4.44 | 4.24 | 3.94 | 3.87 | 3.14 | 2.58 | 2.02 |
1050 | 6.24 | 5.61 | 5.2 | 5.08 | 4.08 | 4.58 | 4.5 | 3,77 | 3.22 | 2.85 |
1100 | 6.9 | 6.47 | 5.87 | 5.74 | 5.54 | 5.24 | 5.17 | 4.43 | 3,88 | 3.51 |
1150 | 7.59 | 7.16 | 6.56 | 6.43 | 6.23 | 5.93 | 5.86 | 5.13 | 4.21 | |
1200 | 8.32 | 7.89 | 7.29 | 7.16 | 5.95 | 6.66 | 6.56 | 5,85 | 4.83 | |
1250 | 9.07 | 8.64 | 8.04 | 7.91 | 7.71 | 7.41 | 7.34 | 6.61 | 6.05 | 5.63 |
1300 | 9.88 | 9.43 | 8.82 | 8.7 | 8.5 | 8.2 | 8.12 | 7.39 | 6.47 | |
1350 | 10.68 | 10.24 | 9.64 | 9.51 | 0.31 | 9.01 | 8.92 | 8.21 | 7.65 | 7.29 |
1500 | 13.31 | 12.83 | 12.27 | 12.15 | 11.95 | 11.65 | 11.58 | 10.85 | 10.29 | 9.92 |
1550 | 14.25 | 13.68 | 13.21 | 13.02 | 12.89 | 12.59 | 11.78 | 11.23 | 10.85 | |
1600 | 13.22 | 14.19 | 14 | 13.89 | 13.55 | 13.49 | 11 | 12 | 1184 | |
1650 | 16.22 | 15.7 | 15.15 | 15 | 14.89 | 14.55 | 14.49 | 13.23 | 12.83 | |
1700 | 17.25 | 16.53 | 16.22 | 16 | 15.89 | 15.59 | 14.23 | 13.87 | ||
1750 | 18.32 | 17.69 | 17.98 | 17.16 | 16 | 11.03 | ||||
1800 | 19.41 | 18.98 | 18.26 | 18.25 | 18.05 | 17.75 | 17.58 | 15.05 | 16.39 | 16.02 |
1850 | 20.54 | 20.1 | 19.5 | 19.37 | 19.17 | 18.89 | 18.7 | 18.07 | 17.51 | 17.15 |
1900 | 21.69 | 21.26 | 20.66 | 20 | ||||||
1950 | 22.88 | 22.45 | 21.84 | 21.71 | 21.51 | 21.21 | 21.94 | 19.85 | 19.49 | |
2000 | 24.09 | 23 | 23 | 22.93 | 22.73 | 22.43 | 22.35 | 21.07 | 21.07 | 20.71 |
鉄鋼新聞:H13.1.10付より抜粋
<グリーン調達について>
家電、事務機、自動車などのメーカーはここ1〜2年、原材料のグリーン調達を促進させている。
一つの製品が造られ、使われ、廃棄されるまでの一連のライフサイクルの中で、リユース・リサイクルや環境負荷軽減が出来る原材料を優先的に調達(購入)して使用していこうという動きだ。
欧州連合(EU)は08年から、電気・電子機器に六価クロムや鉛、水銀、カドミウムなど環境負荷物質が含まれている製品の廃棄を全面禁止する規制を施行する。
<クロメートフリー鋼板について>
新日本製鐵はソニー、松下電器向けなど、NKKはリコー、川崎製鉄は富士ゼロックスのそれぞれ複写機向けなどに、住友金属工業はNEC向けパソコン向けや富士ゼロックス向けなどに、神戸製鋼、日新製鋼などもOA機器、事務機器向けにそれぞれクロメートフリー鋼板の出荷を開始した。
電気亜鉛めっき鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板、プレコート鋼板などは、耐蝕性を一段と高めるために亜鉛めっきの上にクロム化合物(クロメート)による約0.1µ程度の極薄皮膜処理を施してきた。しかしこのクロメート分が水分などで流されると、人体や環境に害となる六価クロムが発生する可能性もあるとして、ユーザーから「クロメートではない化合物で耐蝕性・後処理してほしい」との要請が鉄鋼各社にも寄せられてきた。このため高炉各社は数年前から開発を進め、98年秋にかけてほぼ一斉にクロメートフリー鋼板の実用化を図った。「クロメートを使うと、薄膜で耐蝕性と導電性を両立できたが、クロメートフリーでは導電性の保持が難しかった。」(高炉)が、それもクリアした。
高炉各社では「数年後、遅くても10年までには、後処理鋼板の全量がクロメートフリー鋼板に切り替わる」と推測する。このため、高炉各社では、クロメートフリー鋼板を電気亜鉛めっき鋼板だけではなく、ユーザーニーズに対応していく方針だ。今後、自動車、建材などにも拡大するのは必至で、クロメートフリー鋼板は後処理鋼板の“代名詞”になりそうだ。
クロメートフリー鋼板 | 鉛フリー鋼板 | その他 | |
---|---|---|---|
新日鉄 | ジンコート21 (電気亜鉛めっき鋼板) |
エコトリオ (ニッケル・亜鉛・錫三層めっき鋼板) |
潤滑鋼板 (電気及び溶融亜鉛めっき鋼板) |
シルバージンク21 (溶融亜鉛めっき鋼板) |
エココート-T (錫・亜鉛めっき鋼板) |
ビューコート (プレコート鋼板) |
|
NKK | ジアフロンティアコート (電気及び溶融亜鉛めっき鋼板) |
クロムフリーエクセルコート (プレコート鋼板) |
|
川崎製鉄 | リバージンクFCシリーズ (電気及び溶融亜鉛めっき鋼板) |
KTU-XV (超深絞り鋼板) |
|
住友金属工業 | スミジンクFCシリーズ (電気亜鉛めっき鋼板) |
Sコート (潤滑処理鋼板) |
|
タフジンクNEOコート (溶融亜鉛めっき鋼板) |
SZ-GTX (亜鉛・ニッケルめっき鋼板) |
住友ハイコート (プレコート鋼板) |
|
神戸製鋼 | コーベジンクグリーンコート (電気及び溶融亜鉛めっき鋼板) |
エコスチール (高意匠ラミネート鋼板) |
|
日新製鋼 | 月星ジンクZC処理 (電気亜鉛めっき鋼板)溶融も予定 |
テクスター (プレコート鋼板) |
日経:H14.01.15付[次世代素材、負荷価値競う/高張力鋼板]編より
より薄く、より軽く、より頑強に・・・・
自動車メーカーからの受注合戦にしのぎを削る鉄鋼メーカーが開発に注力するのが高張力(ハイテン)材だ。ハイテン材とは鉄にマンガンやシリコンなどを加え、冷却工程で強度を強めた鋼板。通常の鋼板が一平方ミリメートル当たり30キロ未満の力にしか耐えられないのに対し、ハイテン材では、100キロの重みに耐えられる製品も登場している。車の枠組みをつくるフレーム部などに使われ、現在は1台の小型自動車に使う鋼材の中で、30%前後をハイテン材が占める。需要が伸びたのは「地球温暖化防止の機運が世界的に盛り上がった1990年代半ば以降」(新日鉄)。自動車メーカーが自動車の排ガスを減らす為に車体の軽量化を進めると同時に、乗員の安全という観点から衝突安全性の向上というテーマを追求する必要に迫られたためだ。ハイテン材は強度に優れる一方で、固くて加工しにくいのが難点。このため鉄鋼メーカー各社は特許合戦を繰り返しつつ、曲げたり穴をあけたりする加工性の向上に躍起だ。「開発努力を怠ると、アルミニウム薄板など他の素材に需要を奪われる」(NKK)との危機感もある。鉄鋼メーカーにとって最大の魅力はその収益性。「通常の鋼板に比べ1トンあたり三万円近く高く納入できる」(神戸製鋼)ため通常の鋼板では自動車の値下げ要求にさらされている鉄鋼メーカーにとってはまさに救世主的な存在だ。
2005年には自動車用鋼板の50%がハイテン材に置き換わるとの強気の見方も出始めている。
99年度 | 02年度 | 05年度 | |
---|---|---|---|
完成車生産台数 | 990万台/年 | 950万台/年 | 950万台/年 |
自動車向け鋼板量の内ハイテン材比率 | 20% | 30% | 50% |
日経:H14.02.01付 より
<鉄でも超軽量車>
自動車の鉄製部材に高張力鋼板を全面的に採用すると、衝突安全性を確保しながら現在よりも車体を2~3割軽量化できることが世界の鉄鋼メーカーの共同研究で分かった。自動車軽量化を巡っては、アルミニウムや樹脂製品などと素材間競争をしている。鋼材の最大の顧客である自動車メーカーに鉄でもさらに軽量化が可能なことを示し、受注拡大を図る。研究には新日本製鐵、NKK、神戸製鋼所を含む世界33社が参画。ボディー、エンジン、内装など車体全体の設計を実施し、鉄を使った軽量車両をシュミレーションした。鉄製部品のほぼすべてに軽く、強度に優れている高張力鋼板を使ったほか、部品点数を減らすため特殊な加工法も多用した。
車両重量は 小型乗用車(ガソリン車、1500CCクラス)で 19%、普通乗用車(ガソリン車、2500CCクラス)で32%軽くなる。衝突安全性や二酸化炭素の排出規制は欧米の基準を十分にクリアできるという。
製造コストは 9,000~10,000$(120万~130万円)程度で、「既存の車両に比べて競争力がある」(新日鉄)とみている。
薄板系の主要な自動車用鋼板について(JISハンドブック、2002年度版より抜粋)
分類 | 規格名称 | 記号 | 記号の意味 | |
---|---|---|---|---|
構造用鋼 | 自動車用構造用熱間圧延 鋼板及び鋼帯 |
SAPH | S:Steel A:Automobile P:Press H:Hot | |
一般構造用圧延鋼材 | SS | S:Steel S:Structure | ||
薄鋼板・帯鋼 | 熱間圧延軟鋼板及び帯鋼 | SPHC | S:Steel P:Plate H:Hot C:Commercial | 一般用 |
SPHD | S:Steel P:Plate H:Hot D:Deep Drawn | 絞り用 | ||
SPHE | S:Steel P:Plate H:Hot E:Deep Drawn Extra | 深絞り用 | ||
自動車用加工性熱間圧延 高張力鋼板及び帯鋼 |
SPFH | S:Steel P:Plate F:Formability H:Hot | ||
SPFHY | S:Steel P:Plate F:Formability H:Hot Y:Yield | |||
冷間圧延鋼板及び鋼帯 | SPCC | S:Steel P:Plate C:Cold C:Commercial | ||
SPCD | S:Steel P:Plate C:Cold D:Deep Drawn | |||
SPCE | S:Steel P:Plate C:Cold E:Deep Drawn Extra | |||
SPCCT | S:Steel P:Plate C:Cold C:Commercial T:Test | |||
SPCEN | S:Steel P:Plate C:Cold E:Deep Drawn Extra N:Non-Ageing | |||
自動車用加工性冷間圧延 鋼張力鋼板及び帯鋼 |
SPFC | S:Steel P:Plate F:Formability C:Cold | ||
SPFCY | S:Steel P:Plate F:Formability C:Cold Y:Yield | |||
めっき鋼板 | 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 | SGHC | S:Steel G:Galvanized H:Hot C:Commercial | |
SGHXX | S:Steel G:Galvanized H:Hot XX:引張強さ | |||
SGCC | S:Steel G:Galvanized C:Cold C:Commercial | |||
SGCD | S:Steel G:Galvanized C:Cold D:Drawn | |||
SGCH | S:Steel G:Galvanized C:Cold H:Hard | |||
SGCXX | S:Steel G:Galvanized C:Cold XX:引張強さ | |||
電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 | SEHC | S:Steel E:ElectrolYtic H:Hot C:Commercial | ||
SEHD | S:Steel E:ElectrolYtic H:Hot D:Deep Drawn | |||
SEHE | S:Steel E:Electrolytic H:Hot D:Deep Drawn Extra | |||
SEFHXX | S:Steel E:Electrolytic F:Formability H:Hot XX:引張強さ | |||
SEPHXX | S:Steel E:Electrolytic P:Plate H:Hot XX:引張強さ | |||
SECD | S:Steel E:Electrolytic C:Cold C:Commercial | |||
SECD | S:Steel E:Electrolytic C:Cold D:Deep Drawn | |||
SECE | S:Steel E:Electrolytic C:Cold E:Deep Drawn Extra | |||
SEFCXX | S:Steel E:Electrolytic F:Formability C:Cold XX:引張強さ | |||
溶融アルミニウムめっき 鋼板及び鋼帯 |
SA-C | S:Steel A:Aluminium C:Commercial | ||
SA-D | S:Steel A:Aluminium D:Deep Drawn | |||
SA-E | S:Steel A:Aluminium E:Deep Drawn E:Extra | |||
ステンレス鋼 | 熱間圧延ステンレス鋼板 及び鋼帯 |
SUS-HP | S:Steel U:Use S:Stainless H:Hot P:Plate | |
SUS-HS | S:Steel U:Use S:Stainless H:Hot S:Strip | |||
冷間圧延ステンレス鋼板 及び鋼帯 |
SUS-CP | S:Steel U:Use S:Stainless C:Cold P:Plate | ||
SUS-CS | S:Steel U:Use S:Stainless C:Cold S:Strip |
参考 | 日本工業規格 | JIS | Japan Industrial Standards | (財)日本規格協会が編集 |
---|---|---|---|---|
主要外国規格 | AISI | American Iron and Steel Institute | アメリカ鉄鋼協会が制定 | |
ASTM | American Society for Testing and Materials | アメリカ材料試験協会が制定 | ||
BS | British Standards | 英国規格協会が制定 | ||
DIN | Deutsche Industrie Normen | ドイツ規格委員会が発行 | ||
国際標準化機構 | ISO | International Organization for Standardization |
薄板系の主要な自動車用鋼板関連について(JISハンドブック1、2002年版より抜粋)
鉄鋼記号は、原則として次の3つの項目から構成されている。
(1)最初の部分は材質を示す(2)次の部分は規格名又は製品名を示す(3)最後の部分は種類を示す
項目 | 概要 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
材質 | 英語又はローマ字の頭文字、もしくは元素記号を用いて材質を表しているので、 鉄鋼材料は、S(Steel:鋼)又はF(Ferrum:鉄)の記号ではじまるものが大部分である。 ※例外 SiMn(シリコンマンガン)、MCr(金属クロム)などの合金鋼 |
||||||||
規格名又は製品名 | 英語又はローマ字の頭文字を使って板・棒・管・線・鋳造品などの製品の形状別の種類や 用途を表した記号を組み合せて製品名を表しているので、 S又はFの次にくる記号は、次のグループを表す記号が付くものが多い。
1)構造用合金鋼のグループ(例えばニッケルクロム鋼)はSNCのように添加元素の符号をつける。 2)普通鋼鋼材のうち棒鋼、厚板(例えばボイラ用鋼材)はSBのように用途を表す英語の頭文字をつける。 |
||||||||
種類 | 材料の種類番号の数字、最低引張強さ又は耐力(通常は3桁数字)を表している。 但し機械構造用鋼の場合は主要合金元素量コードと炭素量との組合せで表している。
次の符号又は記号を付して表す。(省略) |
SS400 | 「一般構造圧延鋼材」 S:Steel=鋼、S:Structure=構造、400=最低引張強さ |
|
SPHC→ | 「熱間圧延軟鋼及び帯鋼」 S:Steel=鋼、P:Plate=薄板、H:Hot C:Commercial=熱間圧延、一般材 |
|
SPHC-P | P:一般的に規格符号的に良く使われているが、熱間圧延したままの鋼材(黒皮)に対して、 熱延後に酸洗ラインを通板して表面の酸化皮膜などを除去したものを指す。 P=Picling(酸洗) |
|
SGCD | 「溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯」 S:Steel=鋼、G:Galvanized=亜鉛めっき、C:Cold、D:Drawn=冷延原板使用・絞り用 |
|
SA1E | 「溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯 S:Steel=鋼、A:Aluminium=アルミニウムめっき、1E:1 Deep Drawn Extra=1種・深絞り用 |
熱間圧延鋼板、冷延圧延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融アルミニウムめっき鋼板の5品種の機械的性質について、もっとも代表的な性質である「引張強さ」「降伏点」と「伸び」などについて、JIS/1999年版より抜粋しましたので、ご紹介致します。
種類の記号 | 引張強さ(N/mm2) | 伸び(%) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1.2以上 1.6未満 |
1.6以上 2.0未満 |
2.0以上 2.5未満 |
2.5以上 3.2未満 |
3.2以上 4.0未満 |
4.0以上 |
||
SPHC | 270以上 | 27以上 | 29以上 | 29以上 | 29以上 | 31以上 | 31以上 |
SPHD | 270以上 | 30以上 | 32以上 | 33以上 | 35以上 | 37以上 | 39以上 |
SPHE | 270以上 | 31以上 | 33以上 | 35以上 | 37以上 | 39以上 | 41以上 |
種類の記号 | 引張強さ(N/mm2) | 降伏点又は耐力(N/mm2) | 伸び(%) | |||
---|---|---|---|---|---|---|
厚さ(mm) | ||||||
1.6以上 2.0未満 |
2.0以上 2.5未満 |
2.5以上 3.25未満 |
3.25以上 6.0未満 |
|||
SPFH 490 | 490以上 | 325以上 | 22以上 | 23以上 | 24以上 | 25以上 |
SPFH 540 | 540以上 | 355以上 | 21以上 | 22以上 | 23以上 | 24以上 |
SPFH 590 | 590以上 | 420以上 | 19以上 | 20以上 | 21以上 | 22以上 |
SPFH 540Y | 540以上 | 295以上 | ― | 24以上 | 25以上 | 26以上 |
SPFH 590Y | 590以上 | 325以上 | ― | 22以上 | 23以上 | 24以上 |
種類の記号 | 引張強さ(N/mm2) | 降伏点又は耐力(N/mm2) | 伸び(%) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
厚さ(mm) | |||||||||||
6mm未満 | 6mm以上 8mm未満 |
8mm以上 14mm未満 |
1.6以上 2.0 未満 |
2.0以上 2.5 未満 |
2.5以上 3.15未満 |
3.15以上 4.0 未満 |
4.0以上 6.3 未満 |
6.3以上 |
|||
SAPH 310 | 310以上 | (185以上) | (185以上) | (175以上) | 33以上 | 34以上 | 36以上 | 38以上 | 40以上 | 26以上 | |
SAPH 370 | 370以上 | 225以上 | 225以上 | 215以上 | 32以上 | 33以上 | 35以上 | 36以上 | 37以上 | 25以上 | |
SAPH 400 | 400以上 | 255以上 | 235以上 | 235以上 | 31以上 | 32以上 | 34以上 | 35以上 | 36以上 | 24以上 | |
SAPH440 | 440以上 | 305以上 | 295以上 | 275以上 | 29以上 | 30以上 | 32以上 | 33以上 | 34以上 | 22以上 |
※( )内の数値は参考値を示す。
種類の記号 | 引張強さ(N/mm2) | 伸び(%) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
呼び厚さによる区分(mm) | |||||||
0.25以上 | 0.25以上 0.40未満 |
0.40以上 0.60未満 |
0.60以上 1.0未満 |
1.0以上 1.6未満 |
1.6以上 2.5未満 |
2.5以上 |
|
SPCC | 270以上 | (32以上) | (34以上) | (36以上) | (37以上) | (38以上) | (39以上) |
SPCD | 270以上 | 34以上 | 36以上 | 38以上 | 39以上 | 40以上 | 41以上 |
SPCE | 270以上 | 36以上 | 38以上 | 40以上 | 41以上 | 42以上 | 43以上 |
※1.SPCCは原則として引張試験値は適用しない。ただし、注文者から指定された場合(SPCCT)は、()内の数値を適用する。
2.厚さ0.6mm未満については、原則として引張試験を省略する。
3.この表は幅30mm以上のものに適用する。
4.SPCEの標準調質の鋼板及び鋼帯で非時効性の指定のある場合(SPCEN)は、製造工場出荷後6ヶ月間、非時効性を保証する。
種類の記号 | 引張強さ(N/mm2) | 降伏点又は耐力(N/mm2) | 伸び(%) | |
---|---|---|---|---|
厚さ(mm) | ||||
0.6以上 1.0未満 |
1.0以上 2.3未満 |
|||
SPFC 340 | 340以上 | 175以上 | 34以上 | 35以上 |
SPFC 370 | 370以上 | 205以上 | 32以上 | 33以上 |
SPFC 390 | 390以上 | 235以上 | 30以上 | 31以上 |
SPFC 440 | 440以上 | 265以上 | 26以上 | 27以上 |
SPFC 490 | 490以上 | 295以上 | 23以上 | 24以上 |
SPFC 540 | 540以上 | 325以上 | 20以上 | 21以上 |
SPFC 590 | 590以上 | 355以上 | 17以上 | 18以上 |
SPFC 490Y | 490以上 | 255以上 | 24以上 | 25以上 |
SPFC 540Y | 540以上 | 245以上 | 21以上 | 22以上 |
SPFC 590Y | 590以上 | 265以上 | 18以上 | 19以上 |
SPFC 780Y | 780以上 | 365以上 | 13以上 | 14以上 |
SPFC 980Y | 980以上 | 490以上 | 6以上 | 7以上 |
SPFC 340H | 340以上 | 185以上 | 34以上 | 35以上 |
※SPFC780Y、SPFC980Yの伸び値の適用
厚さは、0.6mm以上1.0mm未満1.0mm以上2.3mm以下をそれぞれ0.8mm以上1.0mm未満、1.0mm以上1.4mm以下とする。
溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯(JIS G 3302より抜粋)めっきの種類は、両面等厚の非合金化及び合金化めっきの2種類とする。
種類の記号 | 降伏点(N/mm2) | 引張強さ(N/mm2) | 伸び(%) |
---|---|---|---|
SGHC | ― | ― | ― |
SGH 340 | 245以上 | 340以上 | 20以上 |
SGH 400 | 295以上 | 400以上 | 18以上 |
SGH 440 | 335以上 | 440以上 | |
SGH 490 | 365以上 | 490以上 | 16以上 |
SGH 540 | 400以上 | 540以上 |
※SGHCは、通常、降伏点 205N/mm2以上,引張強さ270N/mm2以上である。表示厚さ1.6以上6.0以下
種類の記号 | 降伏点(N/mm2) | 引張強さ(N/mm2) | 伸び(%) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
表示厚さ(mm) | ||||||||
0.25以上 0.40未満 |
0.40以上 0.60未満 |
0.60以上 1.0未満 |
1.0以上 1.6未満 |
1.6以上 2.5未満 |
2.5以上 | |||
SGCC | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
SGCH | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
SGCD 1 | ― | 270以上 | ― | 34以上 | 34以上 | 37以上 | 38以上 | ― |
SGCD 2 | ― | 270以上 | ― | 36以上 | 38以上 | 39以上 | 40以上 | ― |
SGCD 3 | ― | 270以上 | ― | 38以上 | 40以上 | 41以上 | 42以上 | ― |
SGC 340 | 245以上 | 340以上 | 20以上 | 20以上 | 20以上 | 20以上 | 20以上 | 20以上 |
SGC 400 | 295以上 | 400以上 | 18以上 | 18以上 | 18以上 | 18以上 | 18以上 | 18以上 |
SGC 440 | 335以上 | 440以上 | 18以上 | 18以上 | 18以上 | 18以上 | 18以上 | 18以上 |
SGC 490 | 365以上 | 490以上 | 16以上 | 16以上 | 16以上 | 16以上 | 16以上 | 16以上 |
SGC 570 | 560以上 | 570以上 | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
※1.SGCD 3の板及びコイルで非時効性の指定がある場合は、製造工場出荷後6ヶ月間非時効性を保証する。
2.表示厚さ0.25mm未満については、引張試験を行わなくてもよい。
参考:SGCCは、通常、降伏点205N/mm2以上で、引張強さ270以上である。SGCHは、焼きなましを行わない材料で、通常、ロクウェル硬さ85HRB以上、又はビッカ-ス硬さ170HV以上(試験荷重は任意とする)である。
電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯(JIS G 3313より抜粋)
種類の記号 | 降伏点又は耐力(N/mm2) | 引張強さ(N/mm2) | 伸び(%) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
表示厚さ(mm) | ||||||||
1.6以上 2.0未満 |
2.0以上 2.5未満 |
2.5以上 3.15未満 |
3.15以上 3.2未満 |
3.2以上 4.0未満 |
4.0以上 4.5未満 |
|||
SEHC | ― | 270以上 | 29以上 | 29以上 | 29以上 | 29以上 | 31以上 | 31以上 |
SEHD | ― | 270以上 | 32以上 | 33以上 | 35以上 | 35以上 | 37以上 | 39以上 |
SEHE | ― | 270以上 | 33以上 | 35以上 | 37以上 | 37以上 | 39以上 | 41以上 |
SEFH 490 | 325以上 | 490以上 | 22以上 | 23以上 | 24以上 | 24以上 | 25以上 | 25以上 |
SEFH 540 | 355以上 | 540以上 | 21以上 | 22以上 | 23以上 | 23以上 | 24以上 | 24以上 |
SEFH 590 | 420以上 | 590以上 | 19以上 | 20以上 | 21以上 | 21以上 | 22以上 | 22以上 |
SEFH 540Y | 295以上 | 540以上 | ― | 24以上 | 25以上 | 25以上 | 26以上 | 26以上 |
SEEH 590Y | 325以上 | 590以上 | ― | 22以上 | 23以上 | 23以上 | 24以上 | 24以上 |
SE 330 | 205以上 | 330-430 | 26以上 | 26以上 | 26以上 | 26以上 | 26以上 | 26以上 |
SE 400 | 245以上 | 400-510 | 21以上 | 21以上 | 21以上 | 21以上 | 21以上 | 21以上 |
SE 490 | 285以上 | 490-610 | 19以上 | 19以上 | 19以上 | 19以上 | 19以上 | 19以上 |
SE 540 | 400以上 | 540以上 | 16以上 | 16以上 | 16以上 | 16以上 | 16以上 | 16以上 |
SEPH 310 | (185以上) | 310以上 | 33以上 | 34以上 | 36以上 | 38以上 | 38以上 | 40以上 |
SEPH 370 | 225以上 | 370以上 | 32以上 | 33以上 | 35以上 | 36以上 | 36以上 | 37以上 |
SEPH 400 | 255以上 | 400以上 | 31以上 | 32以上 | 34以上 | 35以上 | 35以上 | 36以上 |
SEPH 440 | 305以上 | 440以上 | 29以上 | 30以上 | 32以上 | 33以上 | 33以上 | 34以上 |
※( )内の数値は参考値を示す。
種類の記号 | 降伏点又は耐力(N/mm2) | 引張強さ(N/mm2) | 伸び(%) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
表示厚さ(mm) | ||||||||
0.40以上 0.60未満 |
0.60以上 1.0未満 |
1.0以上 1.6未満 |
1.6以上 2.3未満 |
2.3以上 2.5未満 |
2.5以上 | |||
SECC | ― | (270以上) | (34)以上 | (36)以上 | (37)以上 | (38)以上 | (38)以上 | (39)以上 |
SECD | ― | 270以上 | 36以上 | 38以上 | 39以上 | 40以上 | 40以上 | 41以上 |
SECE | ― | 270以上 | 38以上 | 40以上 | 41以上 | 42以上 | 42以上 | 43以上 |
SEFC 340 | 175以上 | 340以上 | ― | 34以上 | 35以上 | 35以上 | ― | ― |
SEFC 370 | 205以上 | 370以上 | ― | 32以上 | 33以上 | 33以上 | ― | ― |
SEFC 390 | 235以上 | 390以上 | ― | 30以上 | 31以上 | 31以上 | ― | ― |
SEFC 440 | 265以上 | 440以上 | ― | 26以上 | 27以上 | 27以上 | ― | ― |
SEFC 490 | 295以上 | 490以上 | ― | 23以上 | 24以上 | 24以上 | ― | ― |
SEFC 540 | 325以上 | 540以上 | ― | 20以上 | 21以上 | 21以上 | ― | ― |
SEFC 590 | 335以上 | 590以上 | ― | 17以上 | 18以上 | 18以上 | ― | ― |
SEFC 490Y | 225以上 | 490以上 | ― | 24以上 | 25以上 | 25以上 | ― | ― |
SEFC 540Y | 245以上 | 540以上 | ― | 21以上 | 22以上 | 22以上 | ― | ― |
SEFC 590Y | 265以上 | 590以上 | ― | 18以上 | 19以上 | 19以上 | ― | ― |
SEFC 780Y | 365以上 | 780以上 | ― | 13以上 | 14以上 | 14以上 | ― | ― |
SEFC 980Y | 490以上 | 980以上 | ― | 6以上 | 7以上 | 7以上 | ― | ― |
SEPC 340H | 185以上 | 340以上 | ― | 34以上 | 35以上 | 35以上 | ― | ― |
※1.SECCは通常引張試験を適用しない。ただし、注文者から要求のある場合は、()内の数値を適用する。
2.SECC、SECD及びSECEの厚さ0.6mm未満については、通常引張試験を省略する。
3.SECC、SECD及びSECEについては幅30mm以上のものに適用する。
4.SECEの標準調質の板及びコイルで非時効性の指定がある場合は、製造工場出荷後6ヶ月間、非時効性を保証する。
溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯(JIS G 3314より抜粋)
種類の記号 | 引張強さ(N/mm2) | 伸び(%) | ||
---|---|---|---|---|
厚さ(mm) | ||||
0.4以上 0.6未満 |
0.6以上 1.00未満 |
1.00以上 | ||
SA1C | 【参考値】275以上 | ― | ― | ― |
SA1D | 30以上 | 32以上 | 34以上 | |
SA1E | 34以上 | 36以上 | 38以上 | |
SA2C | ― | ― | ― |
※引張強さは、参考値とし、その値は275N/mm2以上とする。